小舞掻きが終わると、いよいよ土を付けていきます。
土壁は最終的に約8cmの厚みになるのですが、
この厚みが一度に出来てしまう訳ではなく、
何回かに分けて厚みを出していきます。
まず始めは「荒壁」。
荒壁とは、土壁の工程の中で一番最初に塗り付ける土の事です。
荒壁の土は、粘土に水と藁スサ(わらすさ)を混ぜて寝かせた物です。
寝かせる事で藁が腐って発酵し、繊維質だけになり土には粘りも出てきます。
土だけでは乾くと衝撃が加わった時に砕けてしまいますが、
この藁の繊維と粘りによって割れにくく強度のある土壁になります。
この寝かせた土は、独特な匂いがするんです。
良い匂いとは言えませんが...
でもこの匂いがすると、「ちゃんと寝かせてある土なんだな」と思い安心します。
この荒壁を付ける時、泥を竹に押し付けるようにして塗っていきます。
すると、裏側では...
竹小舞の隙間から むにゅ っと泥がでてきています。
この出てきたのを「へそ」と言います。
最後にこの「へそ」を軽くコテで撫でて潰すのですが、その作業のことを
「へそかき」と言うんです。
この「へそ」と「へそかき」によって竹に泥が絡む事と、
次に塗る裏返しの泥ともよく絡み、
竹小舞を挟んだ表と裏の土をつないで一体にする役割も果たしているんです。
ここまでが土壁の第一段階の作業になります。
外観もまた雰囲気が変わり、土壁の落ち着いた感じになりました。
haruna
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