『葭原の家』ができて、間もなく10年になります。
「10年の節目に家全体をチェックしてください」っと、
住まい手から連絡がありました。
これまでにもメンテナンスなどで何度と無く見てきましたが、
改めて家全体を点検するのは竣工以来のこと。
日々の生活で、木の家がどう変化していくのか。
年月を経て朽ちていくところ。
それとは逆に、
使い込まれることで良くなってきたところは・・・?
この10年の間に、子供たちも随分大きくなりました。
ここまで家族の成長をちゃんと支えてくることができたんだろうか?
そんなことを考えながら点検に行ってきました。
自家製の梅干しをつくりたいとの思いで植えられた梅ノ木も、
随分枝が張って大きくなりました。
木製のバルコニーや濡れ縁は紫外線によって、だいぶグレーになりました。
室内は・・・、
こんな感じです。
木の色も日焼けして、随分落ち着いた感じになりました。
日焼けして深まった柱や梁の色合いと土壁の色の相性がとてもいい感じです。
このダイニングテーブルとイスはゼッペットの佐合君がデザインしてつくったもの。
ブラックチェリーの木です。
毎日使っていると、ほら。
こんな風に艶が出てきます。
よく見ると細かい傷があちこちについていますし、
シミもあります。
でも、全然気になりません。
これもすべて “ 味 ” のうち。
使い込むことでにじみ出る味わいです。
“ 無垢の木 ” だからこその良さですね!
家の隅々まで一通り拝見して感じること。
それは、住まい手ご家族がこの家をとても大切にされているということ。
床や壁にもシミや傷は有りますが、
総ては ” 暮らし “ の痕跡。
なにか温かみのようなものを感じます。
今回の点検で確認できた修繕箇所は以下の項目です。
食器棚の建具蝶番の破損
・・・毎日の開け閉め頻度の高さが伺えます。
居間入り口の引戸敷居の滑り板の減り
・・・こちらも頻繁に出入りするところ。
あらかじめ交換できるようにしてあるので、
特に問題ありません。
キッチンと浴室の水栓のパッキンなどが劣化
・・・簡単に交換できます。
二階窓の手摺受け金物の塗装劣化
・・・やはり塗装の耐久年数は10年ですね。
塗り重ねが必要です。
以上。
特に大きな問題もなく一安心です。
家は毎日の使用で摩耗しますし、
風雨日照によって劣化するわけですから、
全くの ” メンテナンス フリー ” はあり得ません。
そんなに神経質にならなくても良いですが、
これからも家の健康管理を、
どうぞよろしくお願い致します。
akihito
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