今、大工さんの刻み場(加工場)では、
6月28日29日の建前に向けて木材の刻み加工が着々と進められています。
そこで今回の “ふらっと” は加工の様子を見学しながら、
一本一本違う木材の個性を活かす大工の『知恵』や、
複雑な骨組みを間違うこと無く正確に加工する『技』をふらっとのぞきに行きました。
ご存知ですか?
実は木材には「背」と「腹」があるんです。
柱や梁に使う桧や杉は、一見真っ直ぐにのびているように見えますが、
実は微妙に反って育っているものがほとんどなんです。
これは、比較的急峻な山が多い日本の山で育つ木の特徴です。
反った凸側を「背」。
反対の凹側を「腹」といいます。
この背と腹では外から掛かる力に耐える働き方に違いがあり、
その特徴を活かして使う知恵の一つが以下の図の通りです。
木材は自然のもの。
人と同じく一本一本に個性ががあり、
さらに、一本の木でも根元側(元)と先端側(末)、
背と腹ではそれぞれ性質が違います。
その違いを大工さん達は、少しでも家に有利に働くように活用していきます。
このことを『木配り』といい、
上の図の他にもまだまだ沢山の工夫があります。
これらはプレカットでは叶わないこと。
まさに “気配り!” ですね。
そうそうっ!
紹介が遅くなりました。
右の方が『徳重の家』をつくってくれる大工の日置君治さんです。
日置さんとは、もう、かれこれ20年のお付き合い。
私にとっては『木組み』の先生でもあります。
日置さんにはこれまでに、大工仕事の奥義を多くおそわりました。
桧の柱の『背割り』のお話。
天然乾燥材と人口乾燥材の香りの嗅ぎ分けクイズ。
「いいにおい!」、
「でもこっちはくさい!」。
子供さんにも簡単に当てられてしまいました。
その他にも、
春奈大工による、板図と番付のお話と、
それを、立体で簡単に説明するためにつくった軸組模型でプレ建前。
もの模型、ちゃんと『長ホゾ』や『渡りアゴ』が再現されているんですよ!
最後は鉋掛け体験です。
削ると同時にフワッと香り立つ木の魅力を味わいながら、
第2回目の “ふらっと 現場をのぞいてみよう” を終了致しました。
次はいよいよ建前です。
日程は6月28日29日の二日間。
10人の大工が組み上げて行く様は全くそつがなく、
まるで舞台劇を見ているようでもあります。
ご興味のある方は是非 ”ふらっと” のぞきに来て下さい。
詳しくはコチラをご覧ください。
akihito