中後の家
折れて繋がる家
- [所在地] 愛知県碧南市
- [工事種別] 新築
- [構造・規模] 木造 平屋建て、一部2階建て
- [家族構成] 母+夫婦+子供2人
- [竣工日] 2011年5月
この家は碧南市に建てる、平屋(一部二階建て)の木組み土壁の家です。
土地の面積は約630坪。
せっかくの恵まれた広さなのですから、それを最大限活かす平屋建てにする事に決めました。
深くはね出した軒先が森の樹々の中に低く、そして長く伸びるような佇まいのイメージです。
プランニングのポイントは平面的な伸びやかさを充分に活かすこと。
ただ、単純に長い廊下で部屋を繋ぐのではなく、各ゾーンごとにまとまり感のある間取りの構成にしつつも、それらをうまく繋げることで、東西約30メートルという長さを楽しめるものにすることです。
玄関を入った東側が、リビングやダイニングが有るパブリックスペースです。そして西側は個室やクローゼット、浴室などが有るプライベートスペースです。そしてその両側の間に中庭に視界が広がる石敷のサロンを挟みました。そして、これらのエリアは少しずつ角度をつけて導線を折りながら繋げられています。
これによって、東西に長くのびる空間をリズミカルにエリア分けすると共に、移動によって変化する導線を楽しむことができます。
もう一つの課題は『犬と心地よく暮らす』ということ。
食事の事、トイレの事、シャンプーの事。留守番時の事、掃除の事、床の傷の事、など等・・・。自然素材の良さを活かしつつ、これらの課題を解決する事は難しく、多少の妥協や考え方の転換が必要です。
ある程度の汚れや傷は受け入れる覚悟。あるいは、将来床を張り替え易くするための納まりの工夫。想定できることばかりではなく、全く予想外のことも起こるかもしれませんが、とにかく一つ一つ検討して決めて行くことが設計です。
住まい手との永い永い恊働作業により、納得の家が完成致しました。