志賀町の家
無垢な家
- [所在地] 愛知県名古屋市
- [工事種別] 新築
- [構造・規模] 木造 2階建て
- [家族構成] 夫婦+子供2人
- [竣工日] 2008年4月
この家は名古屋市北区の住宅地に建つ、総二階建ての住まいです。
子供の頃から町家界隈に育った施主のKさんは、人々が永く住み継ぐ町の深みのような魅力に憧れ、この場所を二年掛かりで探し出されました。
クリーニング屋や町工場、小さな喫茶店などが並ぶ、人の生活の気配が感じられる通りに面するこの敷地は、間口は5.3m奥行き18mの、いわゆるうなぎの寝床型です。
それをこの土地の個性と捉えることで、ここの場所ならではの家を考えました。
南北に細長の建物一階の明るい南側には子供室。北側のやや暗めで落ち着いた場所には寝室を配置しました。また、ウオークインクローゼットを親子で共有できるよう、二部屋の間に挟んで設けています。
リビングダイニングは二階に持ち上げることで、通りからの目線から遠ざけるとともに、明るく陽当たりが望める空間になります。
このように個室を下階に設けて壁を増やし、大きめの空間を上階に配置することは、建物の耐震性を上げるための工夫でもあります。
余分な要素を徹底的に洗い出し、取捨選択してシェイプアップすることで家はコンパクトになります。
できるだけ家をコンパクトにすることは建設費を押さえることにつながりますし、掃除やメンテナンスなどの維持管理の負担を小さくすることでもあります。
またそれだけでなく、家族のふれあい感のある楽しげな住まいをつくるコツの一つでもあると思います。
空間の『大きさ』と『豊かさ』は比例しません。
そのことを実感できる家になりました。