下市場の家
二世帯同居型の家
- [所在地] 愛知県岩倉市
- [工事種別] 新築
- [構造・規模] 木造 2階建て
- [家族構成] 母+夫婦+子供3人
- [竣工日] 2006年9月
この家は、おばあちゃんとご夫婦、そして3人の子供が住む6人家族のための家です。
施主Aさんとの出会いは、私が何年か前に設計させて頂いた『島宮の家』がきっかけでした。通り掛りでいつも気になっていたその家を、ある時、思い切って見せてもらったのだそうです。
切り妻の大きな屋根と左官の掻き落とし壁による、シンプルで落ち着いた外観が印象的なその『島宮の家』も、土壁と木組みによる伝統型の家です。
この家が縁結び役となり、Aさんのお宅を設計させて頂くことになりました。
敷地は名鉄の岩倉駅から歩いて5、6分のところ。近くには堤の桜並木が素晴らしいことで有名な五条川が流れており、特に春が美しい所です。
敷地面積は約70坪。数年前の集中豪雨のときの教訓を活かし、敷地を少しかさ上げすることにしました。建物は総二階建てです。
ご主人の家に対するこだわりは、第一に木組みでつくるということ。ボルトに頼らず、木と木の継手、仕口による粘り強い骨組みにすることがご希望です。そして、竹小舞いの土壁で耐力壁を構成することで筋交いを使わない構造体にすることです。
第二に、自然素材で造るということ。外壁と内壁は左官仕上げ。屋根は燻し瓦。床は杉の無垢板で造ります。
一階はパブリックスペースとおばあちゃんの部屋。
吹抜けのあるリビングとダイニングの間に階段を挟むことでエリア分けをしました。
中央の吹き抜けを介して二階にも気配が伝わりつつ、家族がさりげなくエリア分けしながら共有できるように空間を構成いたしました。
3世代6人の家族が、楽しく生活されることを願っています。 (2006.02.07)