坂祝の家
伝統的構法に学ぶ通柱と渡り顎による木組みの家
- [所在地] 岐阜県加茂郡
- [工事種別] 新築
- [構造・規模] 木造 2階建て
- [家族構成] 母+夫婦+子供1人
- [竣工日] 2004年6月
この家は岐阜県加茂郡の家です。
住まい手はお母さんと、ご夫婦。そしてご長男の四人です。
ライン下り(観光の川下り)の岩場の名所を前に見るこの土地は、国道から少し入り込んだ、とても閑静な古くからの集落で、時代をタイムスリップしたような感覚に陥るロケーションです。
そんな場所に現在、築80年の古い家が建っています。それは、かつて建っていた茅葺きの家を解体し、その太い梁や柱を一部に再利用しながら建てたものです。
当初は、この家を改修したいとのご希望もありましたが、現況を調査し、検討した結果、古い木材も再利用しながら、新たに建て替えるという道が選ばれました。
木と土壁の古い家で生まれ育った住まい手は、そんな伝統的な造りの家の良さをよく知っていらっしゃいます。こんど建て替えるにあたっても、やはりそんな家であってほしいと望まれました。
間取りは玄関を挟んで西側に二間続きの和室とお母さんの部屋、そして、東側にはリビング・ダイニングとキッチン、通用口、脱衣、お風呂などの普段の生活の中心となる居住空間をまとめました。また、リビングの吹き抜けに面したギャラリーを介して、二階の寝室へと空間は繋がります。
今回、住まい手の強い希望もあり、伝統工法の検証と再興にも取り組でいる構造家との共同により、新しい構造の試みをしています。太い通し柱と長く通した梁を渡り顎で組み、一部には差し鴨居を入れる伝統工法に学んだ木組の家です。
(2002,06,08)