“共働き”の家
小牧の家Ⅲ
- [竣工日] 2019年3月
- [坪数] 37.5坪
- [工事種別] 新築
- [家族構成] 夫婦+子供1人
- [構造・規模] 木造 2階建て
- [所在地] 愛知県小牧市
小牧市の市街地に建つ約37坪の木組み土壁の家です。
住まい手はご夫婦とお嬢さんの三人家族。敷地は間口9m、南北に20mの約60坪。平屋に近い外観イメージの建物です。
住まい手のYさんからは、はじめにお問い合わせメールで幾つかのご質問を頂きました。「土壁と断熱について」、「高断熱高気密について」、「24時間換気システムについて」です。
土壁には「蓄熱」といった熱を蓄えて保つ性質があります。それを更に外断熱によってバックアップすることで、より安定した心地よい温熱環境をつくることが出来ます。また、土壁真壁の家は24時間連続運転の強制換気システムは不要です。このことは建築基準法告示でも定められています。がしかし、そもそも自然素材でつくる家ですからシックハウスの危険性はかなり低いので、自然換気だけでも全く安全です。
さらに、この地域は寒冷地とは違って温暖で過ごしやすい気候です。冬の寒さが厳しい期間はほんの一時。夏はこのところ少し暑いですが、春と秋はとても心地良いですから、閉じて暮らすのではなく、窓を開けて風と陽を取り込んで過ごしたいですね。もちろん断熱や気密のことも大事ではありますが、それ以外にも大切なことが沢山ありますので、バランス良くつくっていきたいものです。
玄関を“ 縁 (えん)”と一体的にすることで、南向きの開口を広く確保しました。ここはサンルーム的な物干の為の空間でもあります。家に少しでもたくさんの陽を取り込み、また、共働きの慌ただしい朝も、天気を気にせず物干しをしたままお務めに出られます。
縁とリビングは障子で仕切られていますので、開けて繋げればとても広いリビングダイニングとして使うことも出来ます。
この家で採用された暖房は『床下エアコン』。これは温度設定による自動運転のためにスイッチON・OFFの必要がなく、普段慌ただしいご家族にはうってつけではないでしょうか。電気使用量も割合に少なくて済みますし、また、吹抜けで繋がる一体空間の家でも、全体に温度差ムラも少なく暖房できる点もなかなかの優れもの。ほんのりと床面が暖まる輻射暖房的な温もりですから、「エアコンの温風が苦手!」という方にも快適に過ごして頂けると思います。
“ 共働き ”の家庭が増えていますが、どんな工夫をすれば慌ただしい中に有っても便利で快適に暮らすことができるのでしょうか。この家の設計は改めてそのことを考える良い機会となりました。

リビング
吹抜けのリビングがこの家の中心。左側はキッチンとダイニング。二階には書斎が見えます。

キッチン
カウンターの立ち上りによってリビングから手元をさりげなく見えないように配慮したキッチン。

キッチン
無垢の山桜材でつくったオリジナルキッチン。

ダイニング
長女のMちゃんがもう少し大きくなるまではここで勉強もしています。

書斎
抜き抜けでリビングに繫がるオープンな書斎です。

主寝室
畳の間の寝室は、今でも根強い人気です。

洗面脱衣室
オリジナルの洗面台に合わせてレッドオークの枠のカガミをつくりました。

浴室
床と腰壁は冷たく無いサーモタイル。壁天井は桧板です。対角線の位置に窓を設けましたので換気も良く、カビの心配もほとんど有りません。

便所
オリジナルの肘掛け手摺はペーパーホルダーと一体型です。

小屋裏収納

リビングから縁を見る
この“縁”は物干スペースでもあります。天気を気にせずにお勤めに出掛けることができます。

雪見障子を閉めたところ

縁
素足と土足のどちらでも使えるように堅木のオークの床にしました。比重が高い木材ですのでダイレクトゲイン効果も期待しています。

内玄関

お庭
駐車スペース脇の植栽はかわいらしい畑にもなっています。

プラン

模型

スケッチ

1階 間取り図

2階 間取り図
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小牧の住まい手