自然素材の良さと手仕事が活きる家
百人町の家
- [竣工日] 2021年11月
- [坪数] 29.9坪
- [工事種別] 新築
- [家族構成] 夫婦+子供1人
- [構造・規模] 木造二階建て
- [所在地] 名古屋市東区
百人町は名古屋市内の古くからの住宅地。この地名は徳川家康に仕えた渡辺半蔵が率いた足軽が百人(たくさん)住んでいたことが地名の由来という。幸い戦災を免れて残る街並みには古い屋敷や細い路地が残っており、古の趣がある町です。
土地は間口8m強、南北に約28mの66坪。いわゆる鰻の寝床状の南北に長い敷地です。そこに延べ面積約30坪の木組み土壁の家を建てる計画です。
住まい手はご夫婦と幼い男の子の三人家族。
住まい手のKさんは「自然素材の良さを活かした、体に優しい家をつくりたいんです」と最初にお話しされました。
「自然素材の良さ」とは、例えば木の肌触りや香り、調湿性、木目の優しさ、地震時に効果を発揮するしなやかさ。また最後は土に還る素材であることなど、挙げたらきりがありません。それらの特徴はどれも安全で心地良い住環境をつくるためには必要であり十分な要素です。
また、この素材の良さを引き出すために必要なもの。それは作り手です。大工をはじめ、左官や建具職人などの経験と知識と技が必須です。
「もう、今はちゃんとした職人さんなんかいないでしょ!?」という言葉をよく耳にしますが、いえいえそんなことはありません!
住宅の大量生産化が進む中で、腕前を発揮できる仕事がなくなってしまって、目につかないだけなんです。
“まだまだちゃんとした仕事ができる職人さんはいっぱいいるのですから、是非その技を活かさない手はありませんね!”と、Kさんと意気統合。
自然素材の良さと手仕事が活きる家づくりは、職人技術を後世に受け継ぐ一翼も担う家づくりでもあるのです。