退職後の暮らしを見据えて
サステナブル建築物等先導事業(気候風土適応型)とは、地域の気候風土に応じた建築技術の継承・発展と低炭素社会の実現に貢献するため、伝統的な住文化を継承しつつ、環境負荷の低減を図るモデル的な住宅の建設に対して、国が建設工事費の一部を支援するものです。
いなべの家
- [竣工日] 2024年4月
- [坪数] 27.72坪
- [工事種別] 新築
- [家族構成] 夫婦
- [構造・規模] 木造平屋建て
- [所在地] 三重県いなべ市
三重県いなべ市に建てる延面積27.7坪の木組み土壁の平家です。奥様のご実家横の畑の一角に建てることにしました。ご主人の退職後を見据えて、ゆったりとした暮らしをご夫婦で楽しむための家づくりです。
まず、その楽しみの一番は・・・野菜づくり!です。
家の東側にはご両親が手掛けてきた畑が広がります。ここで四季折々の野菜や果物を育てます。その畑と家を繋げるのがデッキスペース。作業の合間にお茶の休憩をしたり、採れた野菜を洗ったり干したり。そしてそれをバーベキューで楽しんだり。また、屋根も掛かっていますので、雨の日の物干し場としても使うことができます。
リビングには長年の夢、薪ストーブ。ここでは近隣に気兼ねすることなく火を焚くことができますので、炎を見ながら過ごす時間を存分に愉しめそうです。
リビングと吹き抜けで繋がるロフトは、友人達が来てくれたときの宿泊にも備えて。斜め天井の非日常的な異空間を楽しんでもらえそうです。
リビングに接して天井高を低めに抑えた、おこもり感のあるダイニング。そしてその奥には、ミシンを掛けたり書き物をするための奥様の書斎。キッチンにも近いので、お料理をしながらでも同時進行で楽しめます。
リビング横には小上がりが。畳の空間ならではの魅力も捨てがたいもの。ここはお隣に暮らすお母様のサポートもできるようにと設けました。
玄関を入ったすぐ脇には、釣り好きのご主人の道具収納とお手入れの為の小部屋があります。
寝室は六畳間。セミダブルのベットを2台置きます。「トイレは寝室の近くにしたい」とのご要望に応え、パントリーを通り抜けるショートカット動線もつくりました。
社会人として約40年。この間に家で過ごす時間はザッと15万時間ほど。一方、リタイヤ後にこの家で過ごす時間はそれよりも圧倒的に多いはずです。思いを込めてつくったこの家での暮らしを、十分に愉しんで頂ければと思います。