家づくりの流れを追って開催してきた現場見学会。
今回は家具工房の見学です。
『志段味の家Ⅱ』 のダイニングセットを製作中の GEPPETTO の工房を見て頂きました。
講師は木工の佐合君。
彼とは、もう20年来のお付き合いです。
丹羽アトリエのオリジナルキッチンをはじめ、
造り付けの食器棚やサイドボード。
細かいものではトイレットペーパーホルダーや木のタオル掛けなど、
ほぼ、何でも思い通りに作ってくれる心強いパートナーです。
まずは、無垢の家具に使いやすい木の種類のお話から始まります。
広葉樹と針葉樹の違い。
国産材と輸入材。
木目や木の色の特徴など、自分好みを見つけるための基礎情報から。
次は寸法の決め方のお話。
例えばダイニングテーブル。
一般的には高さが70センチで作られているものが多いのですが、
これを2〜3センチ低くするとどう変わるのか。
この数センチの違いが、そこに座った時の “落ち着き感” にとても大きく影響します。
また、周りが椅子座の空間なのか、あるいは床座の空間なのかによっても判断が分かれるところ。
建築と家具との関係性はとても密接なのだと納得するところです。
テーブルの脚の形状は、主に「四本脚」と「逆T字型」のパターンがありますが、
そこには単に見た目のデザインの違いだけではなく、
脚の形状によって使い勝手などが大きく変わることをご存知ですか!?
「四本脚」は短編側にも座ることができるので、
たとえば、お友達が来た時などの人数増加にも対応しやすかったり、
あるいは「逆T字型」の場合は、
ベンチ椅子の時などの椅子が固定されている場合にも横スライドで座ることができるなど、
機能性とデザインには深い関係があることを改めて実感することができました。
その他にも、天板や脚の面取り(角を丸くしたりする加工のこと)の意味や、
座面の素材のバリエーションのお話。
クッション性を良くするための秘密などなど、
出来上がったものを外から見るだけではわからないけど、
作る過程では、こんなにも沢山のことが考えられているということがよーくわかる見学会でした。
(あまり見る機会のない機械加工の様子も見学できました)
この後は家具製作で出た木の端材を使ったワークショップで、
ちょっとした ”ものづくり” を楽しんでいただきました。
後編につづく・・・・・