【御供所の家Ⅱ】その2・・・解体

この建物がこの場所に移築されて約130年。
 
永い年月の間に生活スタイルも大きく変わり、
それに伴って家は改造や手直しのために、
幾度も手が加えられてきました。
 
こうして解体をしていくと、
至る所にその痕跡が現れてきます。 
 
 
真っ黒に煤けた壁や梁。
 

 
この空間、昔は土間だった。
竈(かまど)に火が焼べられ、
さんどさんどの煮炊きが、ここでされていたんですね。
 
 
板張りの壁の裏からこんな墨絵も出てきました。
 

 
襖に貼られていました。
 
ご先祖の何方かが描かれた絵のようです。
 
 
ここに暮らした方々の営みが偲ばれます。
 
 
 
また、こんなメンテナンスの跡も見受けられます。
 
重い屋根の荷を背負った柱が地伏(土台)にめり込んでしまっています。
 

 
沈み込んだ柱を上げるために、堅木の介物がしてありますね。
 

 
湿気で腐食も進んでいましたので、
ジャッキで揚げて新しい材に変えることにしました。
 

 
 
 
 
そして、こんなことも・・・!
 

 
あるときのリフォームの際に切断されてしまった梁。
 
 
うん〜、これは痛い!
 
 
もちろん、
このあと新しい梁に差し替えて、もとの通りに繋いでおきました。
 
 
 
 
瓦の葺き土です。
 

 
かつては土を載せて瓦を葺いていましたが、
それには幾つかの理由があります。
 
ただ、耐震性を上げるための手段として、
今回はこの土を降ろして桟葺きにいたします。
(桟葺き:土を使わず、木の桟に瓦を引っ掛けて葺く工法)
 
 
 
この家のリノベーッションを託す今井棟梁。 
 

 
年期の入った後ろ姿が何とも頼もしいです!
 
 
 
解体を終えて、
いよいよ新たな手を加えて行きます。
 
 
乞うご期待!

 

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